モニター広告の落とし穴、違法なステルスマーケティング!〜ロート製薬の事例〜

 消費者庁は、2025年3月25日、ロート製薬株式会社に対し、同社が供給する「ロートV5アクトビジョンa」と称するサプリメントに係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第3号(ステルスマーケティング告示)に該当)が認められたとして、措置命令を出したことを公表しました。

 

 公式発表は以下でご確認ください。 

 New Releas「ロート製薬株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」(令和7年3月25日消費者庁)

 

 これは、2024年10月1日より新たに規制されたステルスマーケティングに該当するものです。

 詳しい規制の内容は、以前まとめらblog(「10/1より、ステルスマーケティングへの新規制がスタート」)でご確認いただければと思いますが、インフルエンサー等に依頼・指示する広告や企業が発信する広告(SNS投稿、レビュー投稿などのインターネット上の広告に限らない)について、一般消費者が事業者による表示と判別することが困難である表示について規制し、これに違反した事業者(広告主)に消費者庁の判断によって措置命令が下されることになりました。

 

 一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である場合とは、

「表示事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」がこれに当たるとされています。

 

 なお、企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者自身は規制の対象とはなりません。

 

2025年7月25日付News ReleaRelea se(消費者庁)
2025年7月25日付News ReleaRelea se(消費者庁)

 今回のロート製薬の具体的な事例を見ていくと、同じような手法はよくあるものですし、宣伝や広報に関わる方は特に注意しましょう。

 

 具体的には、モニター募集サイト(事業者が宣伝したい商品等についてのモニターを募集し、当該モニターに対し、当該商品等を無償提供するなどして、口コミ投稿や、アンケートへの回答を求めるなどのいわゆる「モニターサービス」を提供するウェブサイト)を通じて、第三者に対し、本件商品を無償提供した上、本件商品に関して「Instagram」にロート製薬が指示する方針に沿った投稿をすることなどを依頼したことによって投稿された画像を抜粋して、自社のウェブサイトにおいて、例えば、「“わたしも”使っています from

Instagram」などと引用している写真のとおり表示をしていたようです。

 

 そして、これについて、当該表示は、ロート製薬が自己の供給する本件商品の取引について行う表示であると認定した上で、第三者が投稿した表示について、ロート製薬が当該第三者に対して依頼した投稿であることを明らかにしておらず、表示内容全体から一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭になっているとは認められないことから、当該表示は一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難であると認められる表示に該当すると判断し、違法なステルスマーケティングに該当するとしたものです。

 

 この事案については、同日付でロート製薬側も「消費者庁の措置命令についてのご報告とお詫び」という公式発表をしています。

 こちらを見ると、詳しい背景事情が説明されています。

 特に着目すべきポイントとしては、 Instagramで投稿してもらったモニターには投稿記事の中で本文中に「#PR」などと記載してもらっていたものの、Webサイトに掲載していた上記画面では Instagramの画像をクリックしても、「#PR」と記載している本文まで表示されない設定になってしまう設定ミスがあったというものです。

 確かに、本文も表示される設定になっていれば、一応広告である旨は表記されているとして措置命令まではなかったかもしれません。その意味では「厳しすぎる」という声もあるようです。

 

 ただ、結局、クリックしない状態では、これがナチュラルな消費者の声なのか、利益を享受している方の広告なのかどちらか判断できません。そのような宣伝、広告手法自体、消費者を惑わせるもので、個人的には疑問に思います。

 企業の広告や宣伝を担ったことがないので、甘いのかもしれませんが、「※当社が依頼してご利用いただいたモニターの方々の声です。」と表記した方が誠実な姿勢で内容もすんなり受け止めやすいように感じます。

 

 いずれにせよ、広告や宣伝に携わる方々は、宣伝や広告の場合はその旨一般消費者が判別できるような内容になるように心がけましょう。