2021の幕開けとこれからの士業

1 コロナが加速したデジタルトランスフォーメーション

 予期せぬ疫病に見舞われた2020年が終わり、

2021年を迎えました。

まだまだ新型コロナウィルスによる影響は拡大しており、

余談を許さぬ状況です。

 

 ただ、一方で、新型コロナウィルスがデジタルトランスフォーメーションを強力に推し進めたことは間違いありません。時代がかなり前に押し出されました。

 

 それにともなって、

これからの士業はどのようになっていくでしょうか。

 

 コロナ禍の前から、すでに昔とは違い、

資格=職業の時代ではなくなっていました。

 

 昔は弁護士資格をとれば、「弁護士」になり、弁護士業をするというのが当たり前でした。

しかし、今は、「弁護士」だからといって、昔ながらの弁護士業をしているとは限りません。

例えば、リーガルテックと呼ばれる法律×AIの分野なども拡大しており、

ベンチャー企業を立ち上げて法的サービスを提供している方もどんどん増えています。

 

 今でもかろうじて、資格=職業でやっているのは医師ぐらいでしょうか。

 

 それ以外の資格は、資格=職業ではなく、その資格をもって何をするか、どう生きるが問われているように思います。

これはコロナ禍の前からすでにそうなっていたでしょう!

 

 

2 AIによる士業の代替可能性と士業の未来

 

 今後、AIがどんどん進化し、多くの仕事が奪われると言われています。

 士業においても、例外ではなく、士業によってはその多くがAIに代替されてしまうとも言われています。

 

 弁護士はここでは1.4%とされていますが、決して楽観視して良い状況ではありません。

 リーガルテックにより、すでに契約書のリーガルチェックはAIによって即座にかなりの正確度をもって代替されています。

 

 全ての士業が資格をとれば安泰ということはなく、AIにとってかわられる側ではなく、AIを使いこなす士業にならなければいけないでしょう。そのためにも、AIの近い未来を把握しておくことが必要でしょう。

 

3 AIの特性と士業に求められる能力

 AIの幻想と実態については、

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」

を読めばよくわかります。

 

 この本では、現在のAI研究が人工知能そのものではなく、

人工知能技術でしかなく、人間の知能を代替するようなレベルには達していないことを科学的に説明してくれています。

 

つまり、

AIのできることは、あくまで、

計算や確率、統計など、数学的に処理できることに限られています。

これを膨大な量のビッグデータをディープラーニングさせることによって、

数学的に処理ができるようになります。

 

 逆にいえば、人間による肉体的な労働や意味の理解、文章の読解力などは、

今のところ、AIにはとって変わられるところではないわけです。

 

 どんな士業であれ、このようなAIの現状を踏まえ、

人間に求められる力を磨き、AIを使いこなせるようになることが不可欠です。

 

 

 

 今から15年前にはスマートフォンすらありませんでした。15年後のことなんて、誰にもわからないでしょう。

 

(実はダーウィン自身の発言ではないらしいですが、)

『生き残るものは強いものでも賢いものでもなく、変化に対応できるもの』

と言われています。

 

士業のような専門職を長く経験していると、プライドが高くなりがちです。

しかし、残念ながら、いい仕事さえしてれば生き残れるという時代でもありません。

 

 

加速している時代についていき、

士業の枠に縛られず、

AIを使いこなしていく士業にこそ、

生き残りの途が開かれるのだと確信しています。