同志社大学のロースクール には、当該ロースクール 修了生で組織された同窓会として、”寒梅会”という団体があります。
この名前は、同志社ロースクール設立の際に建てられた寒梅館という建物にちなんで名付けられました。
寒梅会の主たる役割は、会員の交流と現役受験生たちの学習支援です。
私は2年ほど前からこの会長に選任され、コロナ禍で活動してきました。
昨年には、寒梅会のHP(https://kambaikai.com)もリニューアルし、寒梅会が開催する講座もなるべくストリーミング配信できるように整備しました。閲覧パスワードを設定し、同志社ロースクール生たちだけが観れるようにしています(在学生の方には閲覧パスワードを配布しています)。
この寒梅会が主宰し、先日、同志社ロースクール新入生を歓迎するイベントを開催しました。内容としては、直近の同志社ロースクール修了生で、司法試験を合格した複数名(司法修習生と弁護士1年目の方々)から、ロースクールの過ごし方、特に授業の予習&復習をテーマにお話しいただきました。
同志社ロースクール特有の話はここでは省略しますが、おうかがいして感じた共通点は、
①司法試験合格という目標を常に意識しつつ、授業をいかに活用するかという観点から能動的・主体的に考えていること
②自分に必要なことを取捨選択・トライアンドエラーしつつ、自分なりのやり方を身につけているということ
でした。
①について補足すると、ロースクールの授業の予習復習にはキリがなく、ともすれば目の前のことを追われてしまいます。時に、司法試験合格という目標を忘れて目の前のことに追われてしまいがちです。そのため、常に、この勉強をどのように司法試験合格へつなげていくか、それを意識していくことが必要です。あくまでこのような能動的な意識を持たなければ、司法試験合格には近づけません。受動的に言われたことをこなすだけではなかなか難しいでしょう。
②について補足すると、司法試験合格者の体験談はもちろん参考になりますが、だからと言って、それを盲信し、そのまま真似をすればいいというものではありません。他人の話を全てシャットダウンして我流の勉強に走るのは危険がありますが、かといって誰かを信奉することも危険です。大切なことは、自分の能力や現状の知識、効率的なやり方などをしっかりと分析しながら、様々な情報を参考にしつつ、自分に合うやり方を身につけていくことです。
ロースクール の授業については批判的な見方をする方もおられるでしょうが、いずれにせよ授業を受けなければいけないわけですし、その時間をいかに無駄にせず、活用するかを考えるのが効率的ではないでしょうか。
なお、このイベント当日、私が、会長挨拶でお話しした同志社大学ロースクールの歴史を少しだけ書いておきます。
私自身がロースクール発足3年目に入学しましたが、当時は授業と司法試験は完全に別物で、授業の予習を限られた時間でこなし、別途司法試験の勉強時間を確保することが必須でした。
しかし、その後、他のロースクール もそうであったように、授業の内容も司法試験を意識するような形に変わっていきました。
ただ、それでも同志社ロースクールには課題がありました。なかなかロースクール修了後、1回目の受験で合格する人が多数派にはならなかったのです。終了後、1年勉強してから2回目の受験で合格する人が多かったのです。
そのような状況で、令和元年ついに同志社大学ロースクールの司法試験合格者が1桁台になりました。これは、同志社ロースクールにはあまりにもショッキングな非常事態でした。そこから教授らも本気で敗因分析をし、改善に取り組まれ、寒梅会としても可能なサポートをしてきました。敗因分析の結果わかった共通する不合格の要因は、(典型的なものでしたが)①勉強量が足りていない、②苦手科目があるということでした。このような敗因分析をし、乗り越えてきた結果、同志社大学ロースクールでは令和3年、令和4年とロースクール修了後1回目の受験で合格する人たちが多数派となりました。これは非常にいい傾向です。今年から在学中受験が始まりますが、少なくともロースクールで授業を活用して勉強していけば1回目の受験で合格できる流れができつつあります。
このような流れに、新入生もぜひ乗っていただき、合格できるだけの環境や資源は十分にあるので、これらをフル活用して頑張っていただけたら幸いです。
※こちらは同志社大学法科大学院のHPより抜粋した修了生の合格者の状況です。
2021年度は1回受験のみ、2020年度は1〜2回受験、2019年度は1〜3回受験の合格者が含まれていることになりますが、特に2021年度の修了生が1回目で合格している傾向が読み取れるかと思います。
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