以前、顧問先で行ったハラスメントとSNSについてのコンプライアンス研修をこのブログでアップしていたところ、なんとこちらを見つけてくれて、セミナーを申し込んでくださいました。
(「ハラスメント」と「SNS」で検索していただくと結構上位に出るようで、自分でも驚きです。)
申し込んでくださったのは、
京都と滋賀の舞台に関する美術、音響や照明などの事業をされている会社からなる「京滋舞台芸術事業組合」です。これまで仕事ではあまり関わりのなかった業界の方々で、観客の立場でしか関わることがないので、新鮮で、面白かったです。
こういうプロフェッショナルな方々と触れ合えるのはいい経験にもなります。
今回、せっかくお申し込みをいただいたので、
少しでも意味のある研修、特に、受講した後に何かが残る研修にしたいと考えました。
実は、ハラスメント、特にパワハラの研修は弁護士にとってはなかなかの鬼門です。
というのも、法律的な定義や基準、実例や裁判例をわかりやすく説明するのはそれほど難しくはありません。ただ、そのあたりの説明を一通りしてみても、弁護士的にはこうしてはいけないという話ばかりになってしまいがちで、「じゃあ、結局現場でどうすればいいの?」という疑問で終わってしまうことがあるのです。
何とかこの壁を蹴られないかと試行錯誤し、
アンガーマネイジメントに関する本を読んで感情コントロールを学んだり、ワークショップに関する本を読んで、実践方法を学びました。
たぶん正解は1つではないのですが、かといって現場でどうすべきかは、業界・業種ごとに違うでしょうし、場面や相手によっても変わってくるはすです。。
そこで、舞台技術の実態をヒアリングさせていただいた上で、実際に現場で起こりうる場面を想定した具体例を設定し、グループディスカッションをしていただきました。
盛り上がらなかったら早めに打ちきろうかと思っていましたが、やってみると大盛り上がり!
20分以上議論して、それぞれの立場からの意見を出し合っていただきました。
結局、私の法律的な話をして情報を詰め込むより、この時間こそ何より重要なのだと実感しました。
終了後、受講されていた経営者の方がご挨拶に来てくださり、
「弁護士のハラスメントの話は何回か聞いたけど、面白くて、一番よかった!」と声をかけていただきました。
有益な情報を詰め込んで、いかにわかりやすく説明するかというところを追求してきたのですが、
受講した方にとって最も効果的なやり方を考えるとやはりワークショップをとりいれていくことが必要だと思いました。
今年中にセミナーのレベルをもう1段階レベルアップしていきます。