1 選択科目として知的財産法のススメ
司法試験の選択科目としての知的財産法の中身は、特許法と著作権法です。
2つは法律が比較的新しく、体系が整理されていて、定義規定もあります。そのため、条文を読んで分析・理解するリーガルマインドさえ備わっていれば、理解しやすい法律と言えるでしょう。
知的財産の論文試験も、訴訟物からはじめて、双方の主張と反論を考えて要件を検討していく流れになるので、民法に近く、民法の理解が一定程度できているならとっつきやすいでしょう。
また何よりも今後の時代の変化を見る限り、知的財産の重要度は企業においても個人にとっても増すばかりです。将来性がある分野ですので、これを気に学ぶこともオススメできます。
2 特許法と著作権法の条文に関する場面と理論と主張の整理
ここ数年、同志社大学ロースクールで司法試験受験直前期に、特許と著作権を各3時間ずつで総復習するゼミを担当しています。
その際に作成したレジュメを2020年度版にブラッシュアップしましたので、アップデートします。
短時間で重要な条文を見直しながら、制度設計や手続きの流れなどを確認するとともに、司法試験で問われることが多い主張・反論形式を意識して、法的主張を整理しています。
このような整理をしているのは、特許にせよ、著作権にせよ、どちらもいわゆる知的財産権であり、まさに創作的に付与されている権利です。そのため、ぞれぞれの制度の根幹を理解し、条文を正確に適用できるように条文の構造を理解することが何より重要です。
そして、その上で、より実践的には、権利侵害を主張する原告側の請求内容やそれに対して侵害したとされている被告側の有効な反論として、どのようなものが考えられるか、整理しています。
このようなまとめがされていることはあまりないと思われますので、ぜひご活用ください。
3 知的財産の司法試験用オリジナル問題
昨年、司法試験に似たオリジナル問題を作成することになり、作成しましたので、こちらも載せておきます。
裁判例をベースにしつつ、かなりの時間を費やして試行錯誤して作成したものです。難易度的には、現在の司法試験よりも難しくなってしまったかもしれません。ただ、我ながら面白く仕上がっており、力を試す問題としては良いかと思います。
とはいえ、研究者でもない者が個人で作成した問題ですので、多少粗さが残っているかもしれませんが、ご容赦ください。
4 実務的な観点からの著作権侵害
(追記)知的財産に関連して、誰かの著作権を侵害しない方法+自分の著作権を守る術というテーマでYouTube(弁護士松田昌明のLawTube)に【前編】【後編】をアップしました。一般の方向けの実務的な内容ではありますが、全体の仕組みを理解することができますので、ご活用ください。
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