私にとって、昨年は転機となる1年でした。
これまで9年間、事務所にいて、紹介や法律相談などで依頼された仕事と向き合っていました。
全力でやってはきましたが、あくまでも受動的なものでした。
弁護士の仕事は多種多様なため、常に何らかのチャレンジ的な弁護士業務には恵まれていましたが、同じところにとどまっているような感覚、このままでいいのだろうかという感覚に不意に襲われることはありました。
そのような状況の中で、当事務所の創設者である安藤猪平次弁護士が亡くなりました。
事務所を浅田弁護士に任せるにあたり、それを支えていかなければならない私に対しても「もっと外に出ていきなさい!」と温かい檄をいただきました。以前から、事務所でくすぶっている私を見て、案じてくれていたのでしょう。
これまで私は、元来の人見知りの性格を言い訳に、また子育てを正当化の理由にして、なかなか外の世界には出ていけていなかったのです。
そして、ようやく外へ飛び出すようになりました。
始めはどうしていいのかもわからず、まずはインターネットで検索した交流会などにひたすら参加しました。
あまりうまく交流できず、意味があるのかどうかもよく分からない状況も続きましたが、そもそも失うものもありませんでした。徐々に自分と波長が合う方々と出逢えるような機会に恵まれ、さらにその縁が繋がり、貴重な出会いを沢山させていただいた1年でした。
西宮を愛する事業者コミュニティ”みやこむ”では監査役という役職もいただき、微力ながらサポートさせていただいております。
また、新しくできたオシャレなコワーキングスペースon paperにも入会し、クリエイターの方やフリーランスの方々と知り合うこともでき、多種多様なセミナーもさせていただきました。
出逢っていただき、また気にかけていただいた方々には感謝しかありません。
今更ではありますが、自分の下らない殻を破り、新しい世界に気付けて良かったです。
ただ、一方で、まだまだ無力な自分を痛感する場面もありました。
弁護士として、一般的な業務経験は積んできましたし、通常の訴訟事件であれば闘える力はつけてきたと自負しております。しかし、事業をこれからしようとしている方や発展させていこうといする方に、直接力になる場面には限りがありました。
この現状を打開するために、私なりに考えた1つのチャレンジが、知的財産の専門家である弁理士になるというものです。
司法試験を合格しているため、弁理士試験は免除され、弁理士登録をするための実務修習受けることができます。
この申し込みを昨年し、現在は事前課題の提出とeラーニングに追われつつ、本日からついに5週連続の集合研修講義が始まりました。
もともと私は司法試験の選択科目として知的財産法を選択し、学んできたため、特許法や著作権法については学んできました。
弁理士業務の柱としては、発明を保護する特許、デザインを保護する意匠、ブランドを保護する商標、創作を保護する著作権です。このうち、特に特許については、物理や化学の知識も必要となるため、理系の方が強い部分もあります。そういう意味では未知の分野も多くありますが、学ぶことの楽しみをようやく体感しています。
ただ研修としてこなすだけでなく、しっかりと使える=お役に立てる力 を身につけていきます。
2020年4月からは弁理士としても登録し、対応業務の幅を広げていきますので、ご期待ください。